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演技で感情をコントロールする近道〜感情って自分で動かせるの?

ある時。ドラマスクールの小学生女子たちが数名、書類選考を通過しての初オーディションに参加!張り切る女子たち。がんばってこーい!と送り出し、次のレッスン日。

「どうだった?」「(もじもじ)」「うーん…台詞はまぁしゃべれたんだけど(←とうぜんだ)」「“喜怒哀楽”っていうのが…」「うん、難しかったよね…」

なんでも、監督さんの「喜!怒!哀!楽!」のコールに応じて感情を表現して見せて、という課題があったようで。
緊張もあって、ぜんぜんできなかった〜…でも〇〇さんたち(私がドラマスクールとは別で教えている、モデル事務所のお姉さんたち)は、すごかった〜…とのこと。

まぁお姉さんたちはキャリアが違いますからな。
まずはそれよりキミたち、そもそもその緊張をなんとかしなきゃなんだが、

「せんせ〜感情って自分で動かせるんですか」「どうやって動かしたらいいんですか?」

…なるほど。じゃあ、今日はそのレッスンをしましょうか。

感情って、なに?どこにあるの?

さて、「感情を動かそう」と思ったら、それがどんなもので、どこにあるかわからないと、動かすのは難しそうです。

「そもそも、感情ってなんだろね」
「うーん…キモチ?」
「気持ちか。それ、どこにあるの、どこで感じるの。」
「ココロ?」
「心って、どこ」
(みんな、胸に手を当てる)
「その中になにがあるの。」
「あ…心臓。あれ?」

はて、心臓は不随意筋なので、自分の意思でどうにかするのは至難の業。

「じゃあさ、気持ちが変わるのはどんなとき?」
「なんか、いいこととかいやなことがあったとき」
「だよねー。でもお芝居はさ、本当のことは起こらないけど、毎回気持ちを変えなきゃいけないんだよね。どうしよう?」
「うーん」

「じゃあさ、気持ちが変わると、何が変わる?」
「うーん…顔!」
「表情ね。なるほどなるほど。あとは?」
「しゃべり?ざけんなー(吠える)!とか」
「なるほど?しゃべる言葉もだけど、楽しい時と怒ってる時では、声の音色も違うよね」
「あー。あと、動き方とか!」
「そうだね、体の動きとか力の入り方とかも変わってくるよね」

「じゃあ、その表情とか、声とか、身体や筋肉を動かすモトになるものが、もういっこあるんだけどさ…なんだと思う」
「…キモチ!」

だから、そのキモチを動かす方法を探しておる。

カラダとココロはつながっている

「じゃあさ、まずはいったん、爆笑スイッチをオン-オフしてみようか」
「???」

チリリン!と合図が鳴ったら、みんな一斉に爆笑。
もういちどチリリン!が鳴ったら、しーん。

最初はちょっとムリヤリ感がありましたが、繰り返しているうちにだんだん自然になってきました。

「なんか、ほんとにオモシロくなってきた〜」
「そうなんだよね。カラダとココロってつながってるからさ、『オモシロいことがあったから笑う』もアリだし、『笑ってるからオモシロくなる』もありなんだよね」
「なるほど〜」
「じゃ〜今度は『怒る』と『泣く(悲しい)』もやってみようか」

ネガティブな感情は、ひとによってはムズカシイ様子。
中には「普段怒らないからわからない」なんてひとも。

「ふだんは怒る、ってよくないイメージがあるかもだけど、演技にとってはどんな感情も同じように大事なんだよ。それに実生活でも時には『やめてください!』ってちゃんと怒らなきゃいけない時もある。必要な時に、必要な分、必要な感情を使って言いたいことを伝えたり表現したりするのは大事なことなんだよ」
「ふーん」

「話それたけど。
たとえばさ、ヤなことがあって落ち込んだら、うなだれて、トボトボ歩いたりするじゃない。でも、何もなくてもうなだれてトボトボ歩いてたらだんだんつまらなくなってきそうじゃない?逆に、楽しくない時に胸はってるんるん歩いてたら、だんだん楽しくなってくる。これほんと。カラダとココロはつながってるからさ、どっちから始めても影響される」
「へぇ〜?」

だまされたと思ってやってごらんな。

演技で感情をコントロールする近道

「でさ、表情とか声とか、身体や筋肉の他に、もういっこ動いてるもの、なかった?」

え〜なんだろうの少女たち。

「それは、呼吸」
「こきゅう???」

ピンとこないかんじの少女たち。

「じゃあさ、ビックリした時に、身体と呼吸、どうなる…ビックリしてみて?」
「『はっ!』(ビックリしてみる)あ、息吸った」「口が開く」「身体が固くなる」
「で、『あ〜よかった』ってなったら、身体が緩んで、息吐くんじゃない?」
「あ〜」

こんな感じで、怒った時や泣いてる時のことを思い出して、身体と呼吸を再現してみる。

怒った時は…
「う〜お腹に力入ってる〜」「むぅう〜口〜」「足の裏にも力入ってる」「わたし、手」「ふむぅ〜」「お腹で息吐いてる」

泣く時は…
「息が浅くて、速い」「吸う方が速い」「このあたり(鎖骨)がなんか…」「首?くびのあたりが締まってる」

だんだん、呼吸と、身体と、表情がつながってきたみたい。

最初は彼女たちも「悲しい(嬉しい)場面を想像して、気持ちを作るんだろうか」と言ってたんですが、いちいちそれでは時間がかかりすぎる。もちろん想像することは大事なんだけど、いつも「気持ち作るので待っててください」っていうわけにはいかないですからね。
とくに、前述のオーディションの「喜!怒!哀!楽!」なんかは、凝った演技ではなく、瞬発力や表情の変化を見たいということだと思うし。

演技論とか方法論はいろいろあるわけですが、彼女たちにはまだちとややこしい。
まずは、カラダとココロがフレキシブルに、よく反応し、動くように、瞬発力と集中力を鍛えておこう。

感情は、きっともっと自由に動かせるもの

この“呼吸が近道”が「なんのメソッドか?」というと、あれこれ混じっているのではっきり「これ」とは言えませんが、おおよそ私がメインでやっているインプロ(即興演劇)の感覚に基づいています。

実は自分が台本のお芝居をやっていた頃はこの「爆笑スイッチ」みたいなのは、大キライだったんですね(笑)
「何の理由もなく、笑ったり怒ったり、ただの記号じゃないか」って。

でも、インプロを始めてから、そのこだわりはどっかにいきました。
台本のお芝居は、台本に書かれていることを手掛かりに、あれこれ想像したり稽古を繰り返したりして、役やお芝居を作っていきます。

即興のお芝居は、何もないところからお話を生み出すので、「何の理由もなく、とりあえずビックリして」みてから、「ビックリした理由を見つける」なんてことをします。手順が全く逆なんですね。その見つけた理由(ゴキブリが出た…とか、宝くじに当たった…とか)に影響されて、その感情がさらにリアルに膨らんでいきます。

さらに、相手役との即興のやり取りの中でも感情が動きます。コミカルな、ライトな感情の動きもあれば、言いようのない思いに突き動かされて涙が溢れる時もあります。今、この瞬間に起きていることを、身体ごと味わいながら、ストーリーを進めていきます。
インプロに出会ってから、感情は思っていたよりももっと、自由自在なモノなんだな、と知りました。

インプロのレッスンで体得したことは、もちろん台本のお芝居にも活かせます。
身体感覚や直感をよりどころに、相手と生きたやりとりを(台本をつかって)行うことが楽になります。

おまけ:感情表現のためのレッスン

演劇の講師をしていると、お芝居をやってる方に限らず「どうしたらもっと感情を出せるようになるでしょうか…」とご相談を受けることがあります。

この場合の「感情を出したいのに出せない」というのは、おそらく「感情が生まれない」というより「感じたことをどう表していいかわからない」ということですよね。
無表情に見えても、心の中では熱い思いが渦巻いている…なんてことも、きっとあると思います(←思春期の時のワタシ)。

なので、そんな方のために、普段の生活で始められるちょっとしたことをここで。
さしあたり、話の「聞き手」になっている時にこっそりやってみると、敷居が低いと思います。
「へぇ〜!」「そうなんですか〜」など、相槌をうつ時に、いつもよりちょっとだけ息をたっぷり吸って(または吐いて)みてください。
呼吸と身体(表情)はつながっているので、すこ〜しリアクションが大きくなると思います。

相槌がニガテなんですよ、という方は、まずはうんうん、とうなづくのを大きく。
気持ちがあるのに出せないのは、カラダのところで止まっちゃってるんだと思うので、意識して息をして、カラダを動かすことから始めてみてくださいね。


インプロを使った感情のレッスンは、オンラインでも受講可能です。
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投稿者プロフィール

渡辺 奈穂
渡辺 奈穂
1989年より演劇を始め、俳優・演出を経て後進の育成に携わる。指導開始後ほどなくして、演劇体験がプロを目指す者だけでなく受講者の生活・人生を大きく活性化させることを痛感。2020年にオンラインレッスンをスタートし、子どもから大人まで、全国の幅広い年代の受講者へレッスンを届けている。

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