沖縄県内で教育相談や、キャリア教育事業を展開している「琉球のタネ」さんのプログラム「アルパカすく〜る」からお声かけいただき、中学3年生の皆さんに個別のキャリア教育として「演劇体験」を提供させていただきました。
これからもまたこういった機会があるかもしれませんので、2時間のプログラムの様子を簡単にまとめておきます。(ご本人たちや先生方の許可をいただいています)
自己紹介&ヒアリング
この日参加してくれたのは中学3年生の3名の生徒さん。うち一人が、将来俳優になりたいという希望を持っており、今回の実施につながりました。
まずは「演劇関係者」として、私講師の自己紹介。どうやって演劇の世界に入り、どんなキャリアを経てきたか、現在どのような活動をしているかを駆け足で説明。また、現在の日本で俳優を目指すとすれば、どんな道筋があるのかといったこともお話ししました。
そして、3名の皆さんがどのような興味を持っているか、どんなことを知りたいかをヒアリング。
せっかくの機会なのでと、いわばお付き合いで参加してくれたおふたりは、特にこれまで演劇に興味はなかったとのこと。そこで学生時代に演劇をするということが、将来どんな職業に就いたとしても役立つモノであることをご案内。
例えば、読解力や想像力、コミュニケーション力、表現力、問題解決力、それらを用いた共同作業を進める力、などです。
あとは、一番演劇に興味のあるご当人からの質問に答えながら進めていくことになりました。
呼吸法、発声法、滑舌練習
これから演劇を始める若い人たちにとって、一番興味のあるのが、ココ。
加えて、ここ数年はマスクの影響で呼吸が浅くなったり、口周りや表情筋をあまり動かしていない人も増えたので、この辺りに興味を持ってもらうのはいいことだと思います。
また、演劇だけではなく、ほとんどすべての仕事で人と会話をしますので、やっておいて損はない。
この日は、30分ほどかけて腹式呼吸のやり方、腹筋を使って発声すること、50音を使った基本的な発声&滑舌練習や、滑舌をよくするために日頃からどんな練習をしたらいいか、どんなことに気をつけたらいいかを伝えました。
連想ゲーム
休憩がてら、インプロのエクササイズ「連想ゲーム」を体験。
例えば「空」と聞いて自然に思いつくものをそれぞれ言い合ったり、「〇〇と言えば△△」といったふうに、リレー式で思いついた言葉をどんどん出していきます。
「マジカルバナナ」に似ていますが、違うところは「間違いやアウトはない」ということ。
こんなこと言ったらダメかな、引かれるかな、つまんないって思われるかな…そんな気遣いをせずに、自分の思ったこと感じたことをアウトプットできるということは、表現者にとって発声や滑舌練習よりも大切なこと。
もっといえば、自分が自分であるために、またお互いにいい関係を築くために、大切なことでもあります。
台本を読んでみよう!
後半1時間は、とっても短いダイアローグ(会話)を使って、台本の読み方、「読み解き方」を体験。
同じ会話の羅列でも、設定や役柄を変えてみることで、まったく違う場面が出来上がることを学びました。
通常の台本は、役名や場所、物語の背景や人物の動きなどが細かく描かれているものも多いのですが、あえて情報を最小限にとどめた台本を使いながら、どんな情景だろうか、どんな人物、どんな関係、どんな気持ちだろうかと想像し、話し合いました。
この時間がとても充実していて、3名ともみなさん、想像力・洞察力が豊か!自分の思い描いたことをどんどん言語化し、活発にディスカッションし、他の人の言葉から新しい着想を得ていました。
ありがとうございました♪
その後、担当の先生や「アルパカすく〜る」の担当の方と、校長先生にご報告して終了。
先生方や担当の方にも喜んでいただけてよかったです。
俳優志望の生徒さんが、何をするにも目を輝かせて取り組んでいたのがとっても初々しくて、キュンキュンしてしまいました(笑)。そして、他の2名の生徒さんも、最初はちょっと緊張していましたが、進むにつれて楽しそうになっていったのも嬉しく、貴重な機会をいただけたことを感謝します。
演劇、といっても、必ずしも上演を前提に、台本を用意して、練習時間を確保して、発表まで…と大掛かりなことをする必要はなく、2時間程度の限られた時間でも、けっこう濃厚な体験ができます。
実際に身体を動かして実践するこういった演劇の活動は、自己表現やチームビルディングなど、様々な効果がありますので、ぜひこれからの時代、多くの学校で、ちょっとした機会に取り入れていただければなぁと思います。
参加されるみなさんの課題に合わせて内容をアレンジすることも可能ですので、ご興味がおありの先生方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお声かけください。
LINEでもご連絡いただけます♪