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自分の殻を破る方法

インプロや演劇を学ぶ場を提供していると、「自分の殻を破りたい」とおっしゃる方がよくいます。違う自分になりたい、新しい自分を発見したい、自由になりたい、自信が欲しい…言い方はいろいろありますが、多かれ少なかれ、表現活動をされる方は、みなさんそう思っていると思います。

演劇、ことにインプロは自分の「殻を破る」にはうってつけの方法だと思いますが、時には「これは殻を破るのはいへんだな」というケースもあります。

どうしたら自分の殻を破れるのか?なぜ破りたいのか、破れないのか。そんなことを少し考えてみたいと思います。

殻を破れない時ってどんな時?

「殻を破る」ということは、自己成長や変革の過程、とも言えます。これは、自分の限界や固定概念、過去の経験から解放され、新しい可能性や視点を切り開くことを意味します。

ただ、「殻の破り方」が頭で分かっていても、どうもうまくいかない、ということはよくある…というか、そっちの方が多いかもしれませんね。
どんな時にうまくいかないのか、多少例を交えながら考えてみます。

恐れや不安がある

変化に対する不安や恐れが、自分の殻を守ろうとする心理的な防御メカニズムとなることがあります。未知の領域に踏み込むことは、不確かでリスクを伴うため、それに対する不安が抵抗となります。

以前、インプロの講座を受講しようかどうか、迷っている方から質問を受けたことがあります。インプロとはどういうものか、どんなアクティビティーをするのか、それをするとどうなるのか、自分に必要なものだろうか、細かく細かく、長い時間お尋ねになって、結局、受講を見送られました。

この方はもしかしたら変わらなきゃ、という焦りがありつつ、心の奥底では「変わりたくない、このままでいたい」と感じていたのかもしれません。そんな時は、自分がなぜ一歩踏み出せないのか、自分と向き合う必要がありますね。

過去の経験やトラウマ

例えば、過去のネガティブな経験やトラウマが、新しい可能性に向かって進むことを難しくすることがあります。

以前、就労支援のセミナーで、過去に他人から「何見てんだよ!」と怒鳴られたことでアイコンタクトができなくなった、という方がいらっしゃいました。
こっぴどくフラれて恋愛するのがこわくなった、なんて人もいるかもしれません。

が、この「トラウマ」、実は、多かれ少なかれ、すべての人が抱えている…といっても過言ではないのです。
私たちは幼い頃は、人目を気にせず、自由自在に感じたままをのびのびと表現していました。成長する過程で(たぶん心が感じやすい時期に)笑われたり、けなされたり、怒られたりしたことで「痛い目に遭いたくなかったら、自分の大切な部分は人に見せてはいけない」と、身を守る鎧=殻を作ってしまったんですね。

自己肯定感の低さ

上のトラウマともつながっていることが多いかもしれませんが、自分に対する自己評価が低い場合、新しい挑戦に対する自信が欠如し、それが殻を破る障害となることがあります。「こんな私が何をやったって…」というわけです。そう自覚していなくても、胸に手を当ててみたら、心の奥底でそう思っていたということもあるかもしれません。

これを克服するためには、まずは「ありのままの自分」を出せる場所を見つけ、そこでのびのびと息をすることから始めてほしい、と私は強く思います。
「貶し合う場」ではなく「認め合う場」「尊重し合う場」が、もっと日本の社会に増えていってほしいと思います。

もし周りにそんな場所がないよ…という方がいたら、ぜひいちど、インプロのワークショップに遊びに来てください。
ありのままのあなたは、この世に唯一無二の、魅力的な存在なんだ、ということがわかってもらえると思います。

社会的な期待や圧力

ほかに、他者や社会の期待に応えようとする意識が、自分を変えることに抵抗を生むことがあります。他者の期待に応えようとするあまり、自分自身の本当の欲求や目標を見失うこともあります。

例えば仕事や芸事のスランプ状態の時などに「あなたはもう一皮剥けると成長できるんだけどね〜」かなんか言われて「変わらなきゃ!」と焦る、なんてこともあるかもしれません。今のままではダメ、でもどうしていいかわからない。自分の殻が何だかわからない、ということもあるでしょう。

そんな時は、「ほんとは自分はどうしたいの?」「どうなりたいの?」と、自分の心の声を聴いてみる必要がありそうです。

習慣と快適なゾーン

もうひとつ。人は習慣によって安心感を感じる生き物であり、自分の快適なゾーンから離れることが難しいことがあります。新しいことに取り組むことは、快適な状態から離れることを意味するため、抵抗が生じることがあります。

これは、自分の身を守る上でごく自然なことでもあります。今が安全なら、リスクを冒して失敗するかもしれない危険に身を晒すことはない。
そのままでいたい、と思うなら、もちろんそれでもいいのです。
でももし、今のまま自分では飽き足らない、変わりたい、と思うのなら、思い切って飛び込んでみることをお勧めします。

自分の殻を破るには

では、実際に殻を破るにはどうしたらいいのでしょう?
以下は、自分の殻を破るための一般的なアプローチです。

新しいことにチャレンジする

新しい環境やアクティビティに挑戦してみましょう。未知の領域に足を踏み入れることで、新たな視点やスキルを身につけることができます。

誰でも生まれてから今まで生きてきた時間と環境があり、そこから影響を受けた考え方や習慣、やり方がありますね。
つまりその枠の中で物事を考え、判断しているわけです。
新しい体験をすることは、多かれ少なかれ、自分の枠を広げてくれます。

とはいえ、いきなりスキューバダイビング!とかでなくてもいいと思います。いつもと違う交通手段を使ってみるとか、普段着ない色の服を選んでみるとかから始めてみてはいかがでしょう。

自分の限界に挑戦する

成長は慣れ親しんだ、快適なゾーンから出ることから始まります。自分ができると思っていたことを超えて、新たな挑戦に取り組むことで、自分の可能性を広げることができます。
困難な状況や挑戦に対しても恐れず、前向きな態度で取り組むことが大切です。失敗を恐れず、その経験から学ぶことができるようにしましょう。

ついでに言うと、失敗がそのまま、新しい発見や製品に繋がった例もけっこうあるのです。(ポストイットが有名)
インプロのエクササイズでは、失敗をむしろ楽しいものとして扱うことがよくあります。失敗が怖くなくなると、自分の可能性がぐんと広がります。

具体的な目標を設定する

具体的でリアルな目標を設定し、それに向かって進むことで、自己成長へのモチベーションが高まります。

例えば、もし「もっと自分を出せるようになりたいな…」と思っているとしたら、漠然と憧れているだけではどうにもなりませんので、何をしたら「自分を出す」ことにつながるのか、考えてみる。自分から挨拶をすることでしょうか。声を立てて笑うことでしょうか。友だちに「自分はそう思わない」ということでしょうか。

それと、まずは小さな目標から始めて、徐々に大きな目標に挑戦してみましょう。
いきなりハードルを上げてしまうと挫折してしまうかもしれませんので、まずは欲張らず、「確実にこれならできる」ということを設定するのがいいと思います。

他者との交流

新しく出会う人々と交流したり、他人の意見に耳を傾けることで、自分とは異なる視点を得ることができます。他者とのコミュニケーションを通じて、自分の考え方や信念を見直すこともあります。

インプロのエクササイズひとつとってみてもそうなんですが、20年近く、何度となくやっているものでも、人が違うと「こんなことが起こるのか!」「こんな感じ方、考え方があるのか!」と驚くことが、いまだにあるのです。

友人や同僚など、すでに知っているという人でも、いつもと違う話題で話したりすれば、また違う刺激を受けることがあるかもしれませんね。

自分の感情と向き合う

自分の感情や考えに正直に、それらと向き合うことも大切です。感情を抑えずに受け入れ、適切に処理することで、内面からの成長が生まれることがあります。

私たちはときに、知らず知らずのうちに自分の感情や思いをないがしろにしていることがあります。
そんな時は多分、居心地の悪さやモヤモヤを感じていると思います。

そんな「違和感」を放置しないで、自分は本当はどう感じているんだろう、どうしたいんだろう、どうなりたいんだろう…そんなふうに、自分とゆっくり向き合う時間を作ってみるのもいいのではないでしょうか。

演劇やインプロは、殻を破る絶好の場

新しいことにチャレンジしたり、思いきり失敗するのは、日常の生活、特に業務や特定の人間関係の中ではちょっと難しい、ということがあるかもしれません。

演劇の世界は、フィクションです。いつもとは違う自分を試すこともできますし、やったことのないことにチャレンジすることもできます。
また、思いきり遊んでいるうちに、自分を不自由にしている殻が、気づいたらなくなっていたりします。

自分なりの「殻を破る」方法が見つからない時は、ぜひ試してみてくださいね。

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投稿者プロフィール

渡辺 奈穂
渡辺 奈穂
1989年より演劇を始め、俳優・演出を経て後進の育成に携わる。指導開始後ほどなくして、演劇体験がプロを目指す者だけでなく受講者の生活・人生を大きく活性化させることを痛感。2020年にオンラインレッスンをスタートし、子どもから大人まで、全国の幅広い年代の受講者へレッスンを届けている。

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