演劇やインプロ(即興演劇)といった表現活動の場に、表現を楽しむとか、何かをクリエイトするためというよりも「自分に自信がないから」「自信をつけたくて」ということを求めて来る方は大人も子どもも一定数いらして、実際自信がついたという方も多いんですが、なぜなんでしょうね?
「自信」というのは、自分の能力や価値、または自分自身を信じることであって、能力の有無が直接、自信の有無に直結するわけではない、わけです。
つまり、周りから見たらそこそこできる人がぜんぜん自信がなかったり、逆に、よくまぁそれで自信満々でいられるね〜たいしたもんだ、という人だっているわけです(欧米のオーディション番組で時々、羨ましいくらいの方がいますよね)
そもそも、自信をつけるにはどういったことが必要(だと一般的には思われている)のか?それらは、表現活動とどう関係してるのかな?という疑問が湧いたので、ちょうど気になる存在になり始めたチャットGPTさんに聞いて、考えてみました。
自信をつけるには、どうしたらいいですか?
ちなみに、チャットGPTさんはちょっとずつ変化するので、同じ質問をしても都度答えが変化するかと思います。
各項目に、一般の演劇活動(舞台公演など)、またはインプロ(即興劇)とどれくらい関わりがありそうか…または、トレーニングの中でどれくらい達成できそうか、というのを、☆☆☆☆☆で表してみました。(あくまで私の感覚ですけど)
1) 自分の強みを認識する
「自分が得意とすることや良いところを挙げてみましょう。それを自覚することで、自信が生まれます。」
なるほど〜。逆に言えば、得意なことやいいところが自分で自覚できないために自信がない、とも言えますね。
演劇は共同作業の場なので、話す、動く、表現するといったことのほか、ちょっとした相談やディスカッションをしたり、何かを準備したり作ったり、実にさまざまなアクティビティーがあります。そして個性の違う人たちとそれらを行うことで、自分のニガテなことも得意なことも見えてくる可能性がありますね。
また、インプロを含めたワークショップなどの場では、お互いに発表したりコメントをしたりすることが多いですが、基本ポジティブフィードバック(よかったところにフォーカスして伝える)なので、自分では気づかない強みに気づく可能性が高いです。日本の社会では、まだまだ自分のいいところを過小評価する人って多いと思われるので、それを人に言ってもらうっていうのはいい機会だと思います。
演劇という限られたアクティビティーの中ではあるので、まずは
演劇全般 ★★☆☆☆2つ
インプロ ★★★☆☆3つ
くらいにしておきますか。
2)小さな成功を意識する
「小さな成功も大事にし、自分の成果を振り返りましょう。それによって、自信が積み重なります。」
これは演劇に限らず、何らかのお稽古事をコツコツ続けていると、自然に体験できるんじゃないでしょうか。昨日できなかったことが今日はできた。昨日までわからなかったことが、今日コツが掴めた。嬉しいですよね。
また長い時間かけなくても、1)で触れたような「ポジティブフィードバック」などを通して、意識しなければ見過ごしてしまうような小さな出来事や変化を発見し、成功体験として獲得することができるでしょう。
インプロの場合は、「成功したかどうか」というより、どちらかといえば「今自分と相手が楽しめたか」「充実した時間だったか」に意識を向けることが多いですね。
演劇全般 ★★★☆☆
インプロ ★★☆☆☆
3)目標を設定する
「自分にとって達成可能で、かつ挑戦的な目標を設定しましょう。目標達成が自信を生む要因となります。」
そもそもお芝居に出ようと思うとか、表現活動をやってみようと思った時点で、立派に挑戦的な目標設定ですよね!
また、本番に向かっていく過程でも、今よりもっと響く声でしゃべりたいとか、感情を出していきたいだとか、スモールステップで日々目標を立て、達成していくことになります。
インプロより、むしろ「舞台公演」の本番に向かって行く時に、ここ一番という力を発揮して大きな山を超えるようはイメージがありますね。
なので、
演劇全般 ★★★★★
インプロ ★★★☆☆
くらいで。
4)ポジティブな言葉を使う
「自分に対してポジティブな言葉を使いましょう。否定的な考え方や言葉は自信を削ることがあります。」
これは、何か演劇活動に参加する際は、自分で意識していただきたい点ですね…
というのも、現場やそこに集まる人々によって雰囲気はかなり違うでしょうから、自分で自分をケアする必要があります。
私が20代の頃(昭和!)は演劇の世界も体育会系で、少なくとも私のいた劇団では演出家や先輩方からのモラハラは当たり前、自信も自尊心も持てたものではありませんでした。
今ではそういうところは少ないと思いたいですが、「ダメ出し」という言葉に残っているように「できていないところから指摘する」ということはあるかもしれません。
もし「〜〜だとダメだね」とか「〜〜じゃわかんないよ」という言葉にシュンとしてしまったら、自分はダメだ〜と思わずに、「もっと〇〇してみよう」というポジティブな言葉に置き換えてみてください。
一方、インプロはポジティブであること、ポジティブに関わり合うことを基本としていますので、レッスンしていくうちに自然と「ポジティブな体質」になっていくと思います。
(これもまた自分次第ですけどね)
演劇全般 ★★★☆☆
インプロ ★★★★☆
5)他者と比較を避ける
「自分と他者を比較することは自信喪失の原因となります。自分自身に焦点を当てましょう。」
これも一般的な演劇活動においては、自分で自分をケアするのが、非常〜に大切だし、難しいところでもあります。
なぜなら、舞台に上がるということはしばしばどうしても、人様から比較される≒優劣をつけられる、選別されるということでもあるからです。
また、自分がやりたかった役につけず、輝いている(ように見える)人を見て落ち込むこともあるかもしれません。
そんな時には、いやそんな時こそ、ぜひ1)〜4)を思い出して欲しいです。
一方、インプロのレッスンにおいては、他者と自分を「比較」することは、特にコワイことでもアブナイことでもありません。
どのみちひとりひとり違うんですし、その違いこそが面白い。
そして、自分も他者も、常に変化していくので、比較して優劣をつけることに何の意味もありません。
インプロでは、何かと今の自分を比較して自分を責めたり、批判することから自由になろうとするトレーニングでもあります。
自信を喪失している人にはぜひ受けていただきたいレッスンです。
演劇全般 ★★☆☆☆
インプロ ★★★★☆
6)新しいスキルを身につける
「新しいスキルを学ぶことで、自分の能力を広げ、自信をつけることができます。」
演技、パフォーマンスという自己を表現するスキルを身につけることは、確実に自信に繋がる気がしますね。
台本の演劇では時には歌や踊り、殺陣などを経験する機会があるかもしれません。
また、自己表現ということで言えば、地道に練習することも必要ですが、そのスキルを身につけるためにもう一つ「思い切ってやってみる」ということも大切な気がします。
例えば「大きな声を出す」。たいていの人は、緊急事態にはそこそこ大きな声が出せるはずなんですが、こういった「表現」の場だと縮こまってしまうことがしばしばあります。
スキルがどうこういうより、「恥ずかしい」とか「どんな声になるかわからないし」とかで勇気が出ない、踏ん切りがつかなかったりするわけです。
なので、どんなことになるかわからないけど、まずは思い切ってやってみる、ということが、自分の身体を使った表現活動のスキルアップの近道になるかと思います。
そして一度身体にしみついたものは、一生の財産になることが多いので、何かにつけて役に立つでしょう。
演劇全般 ★★★★★
インプロ ★★★★☆
7)失敗を受け入れる
「失敗は成長の機会です。失敗から学び、前向きな態度を持ちましょう。」
これは、★★★★★です!
なんなら、インプロのトレーニングにおいては、★★★★★★★くらいです。
昭和時代の劇団は、私にとっては「失敗できない場所」でした。
でも本来、創作においては「試行錯誤」は重要な過程で。思い切って一度崩したり、大胆に試してみて「やっぱりこっちの方がいいな」と選択するのも大切。
そうさせてくれる現場に巡り会えるといいですね〜。
また、自分がこれだ!と思ってやったことに対し「そうじゃない、もっとこんな風に」という“ダメ出し”を受け入れるのは時に難しいことも。
「失敗していいよ」と言われても、実際に失敗するのはやはりコワイもの。
特に、生舞台では撮り直しややり直しができないので、本番では絶対失敗できないし、それがコワイという人もいるかと思います。
インプロは、その失敗するかもしれないという恐怖から自由になるためのトレーニングでもあり、そして失敗から学ぶ(こうしたらうまくいくというような教訓のみならず、文字通り新しいやり方や視点を発見することも)ことがとても多いので、失敗は大いに奨励されています。
さらに、失敗は、終わりじゃない。ライブの舞台で何か失敗しても、それをチャンスに変えて、みんなで楽しむこともできる。
失敗をリカバリーするためにはまず失敗を受け入れた上で、「ならば」と余裕を持って次の手を見極めることが必要になります。
演劇全般 ★★★★★
インプロ ★★★★★★★
8)体調を整える
「睡眠や運動、バランスの取れた食事など、体調を整えることも自信をつける一環です。」
これ、意外に★★★★☆な気がします。
演劇は自分の身体を使って表現するアートなので、自分の身体(心も含めて)としっかり向き合うことは大切だと思います。
ま、それこそ昭和の時代だと、自分の身体や心をさんざん痛めつけて、やってる気になるみたいな風潮もあったかもしれません。
ですが、自分の心身をスパルタでしごくより、自分の心身がどういう状態で、何を必要としていて、どう感じているか、ということとしっかりつながり、心身をコントロールできることの方がよほど大切だ、とこの歳になると強く思います。
身体を使う表現をする方は、自分の身体の調子にぜひ気を配っていただきたいです。
演劇全般 ★★★★☆
インプロ ★★★★☆
9)肯定的な環境を作る
肯定的な人々と過ごすことで、ポジティブなエネルギーを得ることができます。
これは、一般の演劇活動では4)5)と同じく現場によりますが、インプロではまさに★★★★★です。
そもそも、インプロのトレーニングというのは、その人の発想や表現が萎縮することなく、存分に発揮できるように手助けするものです。
演劇だけではなく教育の場などで、よかれと行われていた過去の指導方法、ダメなところを逐一指摘し正すということが、果たしてその人(子)の成長にどれだけ貢献していたのか。
端的にいえば、人は心理的に安全な状態で、思うさま遊ぶ=思いついたことを試すことができれば、型にはめたり矯正したりするよりよほど成長していくものだ、とインプロの指導者たちは考えています。必要なのは、伸びようとする力を邪魔しないこと、何かもうひとつ必要な時に、タイミングよくそれを手渡してあげること。
そして、教える人VS教わる人という関係だけでなく、受講者同士が肯定的に関わり合い、共に成長していくことも奨励しています。
具体的には、「へ〜…で?」とか「だから何?」という冷笑型ではなく、「ほぉほぉ」「なるほど!」という目で相手を見て接することです。
同じアイディアでも「これはナイわ」と思って見れば何の興味も湧きませんが、「アリかも?」という目で見れば無限に可能性が広がります。
演劇全般 ★★☆☆☆
インプロ ★★★★★
10)自分を大切にする
自分の価値を理解し、自分を大切にすることが重要です。自分に対して優しく接しましょう。
最後にまとめとしてこれを持ってくるところ…AIであるチャットGPTさんのセンスってやつでしょうか(笑)
でもまぁ、そうですよね。9)の肯定的な眼差しを、自分自身に向けましょう、ということですね。
自信がない人、というのは自分に厳しすぎるのかもしれません。
一流の何か、完璧な何かと比較して、自分はそこまでできないからダメだとか。
もちろん、本当にまだ何も積み上げていないので自信がない、ということもあるかもしれませんが、最初に述べたように、そこそこやっている人でも自信がない人ってけっこういるものです。
自分をフェアな目で見てあげて、できないことを数えるのではなく、好きなこと楽しいことをもうひとりの自分が一緒に面白がってあげて、時に励ましてあげることが、大事なのかもしれませんね〜。
演劇全般 ★★★☆☆
インプロ ★★★★☆
まとめ
一方、インプロのトレーニングで自信をつけるとなると、まず「9)肯定的な環境を作る」「4)ポジティブな言葉を使う」などでまず自己肯定感をしっかり培った上で、大胆に遊び、表現しながら「7)失敗を受け入れ」(なんなら失敗を遊び、楽しみつつ)、最終的には「評価を怖がらず、たとえなんの準備をしていなくとも、堂々と人前に立てる」ようになるところあたりがゴールになるかと思います。
特に人前でのパフォーマンスは、台本のあるお芝居よりもある意味チャレンジングな部分があるので、ステージを終えた後の達成感は、台本のお芝居とはまたちょっと違うかもしれません。
自信をつける為に、自分の殻を破る
目線を上げて世界を見てみれば、知らなかったこと、思いもしなかったことに気づき、新しいアイディアや価値観も生まれることでしょう。
まずは、「自分の殻」を破って視野を広げ、一歩踏み出してみることですよね。
▶️ 自分の殻を破る方法
そして、自分が変わるためには知識を取り込むだけではなく、実際に行動してみて自分の感覚で体感し、発見していくことがもっと大切です。
様々なアクティビティーを通して、新しい体験ができるインプロのワークショップは、オンラインでも簡単に体験できます。
▶️ オンラインで、自信を育てる第一歩〜『はじめてのインプロ』を受講してみる
LINEでもご連絡いただけます♪